「メール、電話、チャットなど顧客との窓口が多くて管理が難しい」
「セールス・マーケティング活動を効率化したい」
「SFAツールを導入してみたいけど、Salesforceは高すぎる」
セールスは複雑です。メール、電話、Webサイトなどコミュニケーション窓口は複雑化していますし、顧客ありきなので効率化に限界があります。また、顧客や商談の分析に時間をかけていると営業そのものに行けなくなり本末転倒となります。多様な手段でアプローチしている顧客について時間をかけずに分析、いかに営業効率を高めるかは企業にとって悩みの種となります。
しかしZoho CRMを使用することによって、複数のコミュニケーション窓口をシステムで管理、AIが顧客、営業状況を分析して、売上予測や改善策を提示してくれます。
- メール、電話、SNSなどすべてのコミュニケーション履歴を一元管理できる
- 営業にまつわる様々な雑事を自動化してくれる
- エンジニアでなくても直感的にCRMがカスタマイズ可能
「Zoho CRM」は一言でいうと「安価にセールス周りの作業を自動化」できるクラウドサービスです。
今回Zoho CRMの機能や特徴、メリットやデメリットを解説します。
Zoho CRMとは。価格や機能について
Zoho CRMはシンガポールに本拠地を置くゾーホーコーポレーションのサービスで、日本では子会社のゾーホージャパンが運営しています。2005年に誕生したツールで全世界4万社以上が使用している人気のCRM/SFAツールです。
安価でありながらCRM/SFAに必要な機能はほとんど含まれており、価格も安価なのが特徴です。
サービス名 | Zoho CRM |
---|---|
運営会社 | ゾーホーコーポレーション |
顧客管理 | ◯ |
案件管理 | ○ |
予実管理 | ○ |
スケジュール管理 | ○ |
顧客・営業成績分析 | ○ |
他システム連携 | ○ |
タイプ | クラウド型 |
費用 | 初期費用0円~+月額14,440円/ユーザー~(企業ごとに変動) |
顧客管理
CRMツールである以上、もちろん顧客管理が可能です。Zoho CRMの顧客管理におけるセールスポイントはカスタマイズが容易なことです。
ドラッグ&ドロップで感覚的にCRMの帳票の管理項目を増やしたり減らしたりできます。さらに項目のレイアウトやプロセスに応じた関数を埋め込んで挙動コントロールできるなど、カスタマイズの自由度が高いです。
またデータが不正確、古かったりする可能性があるデータは人工知能が分析、顧客データを上書きするかを提案してくれます。
案件管理
案件管理も可能です。Zoho CRMの大きな特徴として営業管理用AIの「Zia」が営業案件の管理をサポートしてくれる特徴があります。
たとえば、システム上の営業記録に関して異常な情報を発見してくれれば通知がきますし、自動化可能な作業については自動化の提案を行ってくれて、案件管理を効率化できるようにサポートしてくれます。
ただし一部の機能は英語のみの対応となるので注意してください。
予実管理
担当者別の売上情報や、営業の進行プロセスなどをダッシュボードから簡単に確認できるようになっています。自動で売上予測をする機能もあるので営業の予実管理に最適です。
スケジュール管理
個人でもグループ単位でもカレンダーを共有してスケジュール管理が可能です。システム内のカレンダーだけではなく、GoogleカレンダーやOffice 365 Calendarなどとも同期できるので、使い慣れたカレンダーでスケジュール管理が可能です。
顧客・営業成績分析
人工知能Ziaがシステム内のデータを元に学習して、顧客や営業成績を自動的に分析して業務効率化提案もしてくれます。また、日本語には対応していませんがチャットボット上でZiaと会話して営業サポートをうけることも可能です。
他システム連携
Google Suite、Chatworkなど有名な業務システムと連携が可能です。またZoho CRMの他にも同社は営業担当者用のメーラーシステム、モチベーション・営業評価システムなどセールス・マーケティング関連のシステムは色々開発しています。
これらのシステムと連携することによって、より業務を効率化できます。
費用
料金は以下の4パターンです。
スタンダード:1,440円/ユーザー/月
プロフェッショナル:2,400円/ユーザー/月
エンタープライズ:4,200円/ユーザー/月
アルティメットプラン:12,000円/ユーザー/月
無料トライアルは15日間ついています。各プランによって機能は異なり、高額なプラン程使える機能は多くなります。エンタープライズプランが一番人気ですが、スタンダードプランであってもCRM/SFAツールとしては十分でしょう。
スタンダードプランをベースに検討して、追加で欲しい機能があれば上級プランも検討してみてください。
Zoho CRMの特徴
Zoho CRMの特徴は「AIなどが営業をサポートしてくれて積極的に業務効率化できる」「多様なコミュニケーション窓口を1つに集約できる」ことの2点にあります。それぞれの特徴について説明します。
AIなどが営業をサポートしてくれて積極的に業務効率化できる
人工知能が営業をサポートしてくれるので、管理職が営業の状況を分析したり、施策を検討したりする手間が効率化できます。
ルーチンワークで自動的に処理できそうな部分については自動で処理する提案を行う、異常な状態のチェック、留守電メッセージ・未開封のメールの削減などにも対応しています。
多様なコミュニケーション窓口を1つに集約できる
SNS、電話、チャット、メールなど顧客とのコミュニケーションは多様化しているので全てのコミュニケーション履歴を管理することはどんどん困難になっています。
Zoho CRMなら複数のコミュニケーションをこのシステムに一本化、営業に役立つように統合的にコミュニケーションが管理できます。
Zoho CRMの評判
Zoho CRMの利用者の評判を紹介します。
- スマートフォンからも利用することができ、名刺を入力して顧客管理を行いながら営業の進捗まで確認でいる点が、営業支援としてともて役に立つ。
- 1ユーザーから利用でき、月額に利用料も比較的抑えめな為、小さくスタートするには導入をしやすい。CRMとして必要な機能は十分に備わっている。
- 顧客管理を一元管理したい、顧客へのフォローを強化したいという課題に適しています。あらかじめワークフローを設定しておけば、その顧客にやるべき対応が自動的に作成されるので、作業効率がアップします。
- 今までは顧客情報が色々なファイルで散らばっていたため、この管理ソフトを使用する事によって一つに纏まり、後で確認することが容易になりました。業務効率化は何よりもメリットです。
- 営業現場の生産性向上に役立った。前述のAI技術によって定型的な業務がワークフロー化されることによって、営業社員の本来の業務により集中できるようになった。
- 顧客をステータスごとに分類できるので管理が容易になります。あとは、ダッシュボード機能を活用することで誰がどれだけの件数をこなしてるかなど活動量を可視化することやZOHO上からメールを送ることも可能なの追客のしやすい環境が作れます。
1番多い意見としては「CRM/SFAとして必要な機能が揃っていて顧客対応のワークフローがある程度自動化できる」とCRM/SFAとして完成度が高いことに加えてAIによる業務サポート自動化が評判となっているという感じです。
Zoho CRMのメリット
価格が安いので気軽に利用できる
一番安いプランが1,440円ということでCRM/SFAツールとしては比較的安価です。一番安いと言っても、CRM/SFAのベーシックな機能は一通りそろっていますし、顧客のスコアリング、メールの洞察など営業をサポートする機能も盛り込まれています。
マクロやGoogle Adsとの連携はプロフェッショナルプラン以上、BIツール、対話型AI機能はエンタープライズプラン以上などいくつかの機能が制限されていますが、スタンダードコースの機能でも十分なコストパフォーマンスです。
AIで業務を効率化できる
各データの営業活動を分析し営業の成立獲得を予想したり、将来何かトラブルが発生しないか注意したり、営業プロセスを効率化するワークフローを提案したりと営業管理職の仕事をAIがサポートしてくれます。
留守番メッセージや未開封のメールの削減にも協力してくれるので、管理職だけではなく現場の営業担当の業務効率も改善する効果も期待できます。
Zoho CRMのデメリット
一部、日本語に対応していない機能がある
海外で作られたシステムを日本語に翻訳して使用しているので、システム上の日本語のニュアンスがわかりづらかったり、日本語に対応していない機能もあったりします。
慣れれば問題ありませんが、システムを使用するうえで言葉にしばしば違和感があるかもしれません。
スマホでは使いにくい
2005年に誕生したツールでCRM/SFAツールとしては長い歴史があります。そのためユーザーインターフェイスにどこか古臭さを感じるかもしれません。また、スマホでも少し見づらい画面構成になっています。
Zoho CRMがおすすめできる(できない)企業
「メール、電話、チャットなど顧客との窓口が多くて管理が難しい」
「セールス・マーケティング活動を効率化したい」
「SFAツールを導入してみたいけど、Salesforceは高すぎる」
冒頭でお伝えしたとおり、「Zoho CRM」は一言でいうと「安価にセールス周りの作業を自動化」できるクラウドサービスです。
なのでZoho CRMを導入すると効果がある企業は
- 業務プロセスや営業管理・分析もITの力で効率化したい
- Web、メール、電話など複数のコミュニケーション履歴を管理できないので統合したい
- Zendesk、slack、Google Suiteなど他のシステムと連携させてCRM/SFAを使用したい
です。顧客管理の一元化、業務の自動化、他システムとの連携に興味がある企業にとっては良いツールでしょう。逆に、顧客とのコミュニケーション窓口は少なくエクセルで顧客管理は十分というならわざわざ導入する必要もないでしょう。